概要
口臭の原因の一つ、『舌苔』とは?
舌苔と言われて、すぐにピンとくるでしょうか?
漢字を見ると、とてもイメージしやすく、「あー、あれね!」と思うんではないでしょうか。
舌苔とは「ぜったい」と読みます。
そして字からお察しの通り、人間の舌についているコケみたいなアレのことです。
さて、この舌苔ですが、一体何なのでしょうか?
舌苔は、舌の上皮部分に、食べ物の食べカスや、粘膜のカスがくっついて、それに細菌が繁殖したものです。
細菌が繁殖して・・・と聞くと、舌苔が舌にあるだけで、ダメ!と思っちゃうかもしれませんが、実はそんなことはありませんよ。
舌苔が付着しているのは、普通のことです。
全く付いていないことの方が、不健康である場合があります。
舌苔の付着の量や色によっては健康に支障をきたしている可能性が見えてくる場合がありますので、要注意です。
そして、舌苔のつき方によっては口臭の原因になってくるので、これも注意が必要です。
なかなか、自分の舌をまじまじと見ることは、ないと思いますが、舌一つ見るだけで、健康状態などもわかりますので、一度自分の舌を、「べーーーっ」としてみて、舌苔の色や量を観察してみて下さい。
舌が白いのはどういうこと!?舌苔の色の特徴
自分の舌を鏡で見てみると、『なんだか白い!これって病気!?』と不安に感じたことがある人もいるかもしれませんね。
舌の色は正常な状態では、真っ赤ではなく薄赤色〜ピンク色をしています。
その舌の上に、うっすら白い舌苔が付着しているのは普通の状態であり、健康な状態なので心配ありません。
しかし、もし舌に厚く白い舌苔があったり、一部だけ黄褐色の舌苔、または黒っぽい舌苔や茶色っぽい舌苔の場合は注意が必要です。色や、舌苔の状態によって、その原因は様々です。
ではまず、舌苔の色に関係なく異常な舌苔が付着する原因ですが、ざっと挙げただけでも以下の9個が出てきます。
①唾液の量が少ない
②口呼吸による口に中の乾燥
③受け口
④免疫不全
⑤ストレス
⑥胃腸が悪い
⑦抗生物質の服用
⑧舌を動かす量が少ない
⑨アルコール摂取や喫煙による刺激
舌苔の色は、舌苔を作り出す細菌が色素を作り出すものが原因であれば、白色以外の舌苔になります。
また舌苔の色によって、何がどう良くないのか等、原因と健康状態がわかります。
舌苔は口臭の原因にもなりますので、セルフケアをきちんとするだけで口臭が軽減され、舌苔の状態も健康な状態にも出来ますので、セルフケアをしてみて下さい。
子供だと舌に色のつくお菓子やかき氷を食べて色の変わった舌を見せることがあっても、大人になって他人に舌を見せることはありませんよね。
しかし、舌の色一つを毎朝観察するだけで自分自身の健康状態を毎朝、確認することが出来ます。
お手軽でいて、対処もできるので、オススメします。
では、どんな色の舌苔があって、どんな原因でそうなるのかをお伝えします。
そして、健康なお口と健康な体のために、舌苔の状態をチェックしてみてくださいね。
舌の色がおかしいと思ったら、セルフチェックしてみよう
舌は健康のバロメーターと言われるほど、舌を見れば体のいろいろがわかってしまいます。
では、それは舌の何を見ればわかるのでしょうか?
これには、いろいろと見方がありますので、一つずつ説明していきますね。
まず、この舌の状態を診ることを『舌診』と呼びます。
舌診で見ることは
①舌の形、色、動きなどから、舌そのものの状態
②舌苔の色と状態
の2点から、観察し、診断します。
では、どんな状態の舌があり、それが身体のどのような不調を表しているのか。
ポイントを5つ挙げますので順番に見ていきましょう。
まずは、よくある!
1.舌苔が白い
健康な舌の色と舌苔の状態は真っ赤ではなく薄赤色〜ピンク色をしています。
その舌の上に、うっすら白い舌苔が付着しているのは普通の状態であり、健康な状態なので心配ありません。
と前回もお話しした通り、うっすら白い舌苔は、問題ありません。
ただ、このうっすらが、うっすらでは無く「こってり」白さを増してくるなら、これは、少し異常です。
この白い状態は体の冷えが原因とされています。
他にも、栄養不足、貧血などが挙げられます。
夏場の暑い時期は、食欲も落ちがちですし、外が暑いので、冷房をガンガンに入れたり、冷たいものばかり飲んでいたり、お風呂はシャワーでさっと済ましたり・・・としていると、舌が白くなってるなんて事もあります。
どれも、しっかり栄養バランスのとれた食事と、たっぷりの睡眠、お風呂でしっかり温まるなど、体調管理して下さい。
-
2.舌苔が黄色い
風邪をひいている時や、体が熱っぽい時、または過食などにより、胃が疲れてしまい熱性の胃の炎症を起こしている時に舌苔が黄色っぽくなります。
風邪の場合は、風邪の対処をして、治れば黄色味もひいていきます。
胃の炎症の場合は、胃を休めることで、ひいていきますので、食事は胃に優しいものを食べるように心がけてみましょう。
-
3.舌苔が黒い
舌苔が黒っぽいのは、なかなか見ることがありませんが、稀に黒くなることもります。
これは、ものすごく体が冷えている時や、体力の急激な低下により見られる状態ですが、危険です!!
舌の色を見る間でもなく、かなり自覚症状があり、しんどい状態だと思いますが、舌も見て、もし黒くなっていたら、ただしんどいだけだと自己判断せずに、すぐに病院へ行って受診することをオススメします。
-
4.舌が紫色
これは舌苔では無く、舌自体の色です。
舌が紫色になる原因は、体が水分不足、あるいは血行不良の場合に紫色になります。
水分不足であれば、まめにしっかりと水分を摂るようにすることで改善されますが、血行不良の場合は高脂血症などで、血液がドロドロになってしまっていることが原因の場合があります。
この場合は、油ものを控え、玉ねぎなど血液をサラサラにする効果のある食べ物を食べるようにしましょう。
また、病院で診察と治療を受けることをオススメします。
-
5.舌が赤い
これも、舌苔ではなく舌自体の色が赤くなっている状態です。
舌の色はもともと赤っぽいので分かりづらいかもしれませんが、健康な状態は赤というより少しピンクよりですので、その点を普段の下の色と比較して下さい。
さて、舌が赤くなる原因ですが、これは内臓(心臓や肝臓)が発熱している場合に起こります。ひどい場合は、炎症を起こしていることもあります。
トマト、きゅうり、バナナ、リンゴ、豆腐、蕎麦などの食べ物は、肝臓の熱を冷ましてくれる作用がありますので、食事に気をつけてみましょう。
それでも、赤味が引かないのであれば、病院で受診しましょう。
どうでしょうか?舌苔の色と、舌の色で、こんなに健康状態がわかるんです。
もし、あれ?と思ったら、おかしいな。と思ったら、セルフチェックしてみましょう。
いかがでしょうか?
自分では、ただ「しんどいなぁ」と思っているだけでも、舌で見てみると意外にも、内臓機能の問題があったり・・・と思わぬ事態が起こっている場合もあります。
軽度ならば、食事療法などで、対処し改善しましょう。
しかし、改善が見られない場合や不安がある場合は、迷わず病院で受診して下さいね。
舌は健康のバロメーター
ここまで、舌苔の色、舌の色で健康状態をセルフチェックする方法をお話してきました。
これ以外にも、舌自体のサイズを見ることもあります。
もし、舌が大きく肥大していたり、逆に舌がいつもより小さいなと思ったら、それにも原因があります。
舌が大きくなっている(肥大している)
なんだかいつもより舌がむくんでる・・・と感じたことはないでしょうか?
これは、その通り、舌に余分な水分が溜まりむくんでいる状態です。
舌もむくむなんて驚きですが、胃弱体質の人には見られやすい症状です。
原因は摂りすぎている過剰な水分ですので、それを控えてください。
お茶や水以外に果物などにも水分は多く含まれています。
糖分は体に水を溜め込むことがありますので、甘いものも控えましょう。
逆に利尿作用のある食べ物を食べて、体外に水分を排出するよう心がけましょう。
-
舌が小さく薄くなっている
普段の舌より、舌が薄っぺらく、縮んでいるように見えたら、これは水分、そして栄養分が足りていない状態です。
若い方には、あまり見られない症状ですが、お年寄りの方などがなりやすいので、ご本人、または介護されている方が注意して見るようにしましょう。
何よりも、規則正しい生活と、栄養価の高い物を、しっかりと食べるよう心がけてください。
いろいろな症状と簡単な対策法をお伝えしてきました。
普段、自分の舌をチェックすることはなかった人も、毎日チェックすることで、日々の変化に気づけますよね。
そして、少しでもおかしいなと思うことがあれば、生活、食事の改善で、調子を整えて下さい。
繰り返しになりますが、それでも、「おかしいな、不安だな、しんどいな」と感じることがあれば、早めに病院で診察を受けましょう。
舌は、健康のバロメーターです。
毎日の健康管理に役立て、自分自身の今日の体を意識するのに、セルフチェックして下さいね。