概要
セカンドオピニオンとはなにか知っていますか?
みなさんはセカンドオピニオンという制度を知っていますか?
今現在歯科医院の数はコンビニよりも多いと言われ、近い将来、なんと7万件を越える勢いで増えています。
歯科医院の数が多ければ、それ以上に歯科医師の数も多く、医院や先生によって治療方針や考え方、治療方法などが変わってきます。
例えば1つの歯に対して、「この歯はもう残せません」という先生がいれば、「どうにか残して様子をみてみましょう」という先生もいます。(もちろん、極端に状態が悪い歯ではどうにもならないですが。。。)
セカンドオピニオンとは、直訳すると「第二の意見」という意味で、自分が通っている歯科医師(主治医)以外の意見や見解を聞くという制度です。
自分の身体はひとつしかありません。
一人の先生にずっと見てもらいたいという気持ちもあると思いますが、その先生の方針に不安や疑問を抱きながら治療するのではなく、自分の納得できる治療をしたいですよね。
今回はセカンドオピニオンについて詳しく説明していきます。
セカンドオピニオンの重要性
セカンドオピニオンはアメリカなどの先進国では一般的になっていますが、日本でも少し前から徐々に増えてきました。
昔は、歯科医院の数は今ほど多くなく、説明もあまりないまま治療が進むところも多く、患者さんもそのまま治療を受けていました。
ですが、今は歯科医院がとても多くなっていますよね。
1997年に医療法の改正もあり、インフォームドコンセントが義務付けられるようになりました。
インフォームドコンセントとは、医師からの正しい説明と患者さんの同意です。
歯科医師から現状と治療についての説明を受け、治療の最終決定を自分自身ですることを指します。
それにより、「きちんとインフォームドコンセントをしてくれる歯科医院」が歯科医院を選ぶ大切なポイントのひとつになったのですが、全国には7万件近い歯科医院があるため残念ながらインフォームドコンセントをしっかりやっていない歯科医院もあります。
また、治療方針や考え方は歯科医院によって様々です。
どの治療方法が正しいのか、自分に合っているのかは知識がない患者さんにはわかりません。
そこで、自分で治療の最終決定をするのに、どのような治療方法の選択肢があるのか、自分の納得できる治療や意見を求めるために、セカンドオピニオンという制度を活用する人が増えてきました。
1つの歯、状態に関しても、先生の考え方などによって治療方法が変わってくる場合があります。
それぞれの治療に対してメリットやデメリットがあるので、最終的に自分で決定するためには1つの意見ではなく、セカンドオピニオンで第三者の意見を聞くこともとても大切です。
セカンドオピニオンによって自分の納得できる治療方法を見つけられれば、安心して治療を受けることができます。
また、セカンドオピニオンを受けるのは自分にあった歯科医院を見つけるのにもとてもいい手段だということも覚えておいてください。
家や仕事場から近いから、という理由で選んだ歯科医院が自分にとって一番合っているとは限りません。
セカンドオピニオンで行った別の歯科医院の方がしっかり説明してくれた、相談に乗ってくれたということもよくあります。
治療して、その後のメインテナンスも考えると、歯科医院とはとても長い付き合いになります。
ストレスなく信頼できる先生の元で治療を受けるようにしましょう。
それでは次に、セカンドオピニオンの方法を説明していきます。
セカンドオピニオンの方法や費用、セカンドオピニオンで注意すること
方法は?
まず、治療方法に関して不安や疑問に思った場合、現在の主治医の先生にセカンドオピニオンを受けたいという主旨を伝えます。
そして診断情報の資料や紹介状を書いてもらいます。
そして別の歯科医院にそれを持って診てもらいます。
セカンドオピニオンを受けるのには、必ず予約をすることが必要です。
飛び込みで行っても、そこの先生はあなたについてなんの情報も持っていないため1から診断しなくてはなりません。その状況では受けてくれないことがほとんどなので注意しましょう。
予約を取ってセカンドオピニオンに行ったら、そこの先生の診断結果を聞き、それが納得できればそのまま治療を受け、やはり元の先生の診断結果や治療方法の方が納得できるということであれば元の歯科医院に戻ることができます。
そのどちらも納得できないということであれば、また別の歯科医院に行くことも可能です。
セカンドオピニオンに関して注意することは、まず自分の聞きたいことや不安、疑問に思っていることをしっかりまとめておくことです。
費用は?
セカンドオピニオンの費用は医院によりますが、相談料が完全に無料だったり、実際に治療をするとなったら相談料は発生しないという医院もありますが、保険適用外として1〜2万円かかる場合もあります。
せっかくお金をかけ、限られた時間の中で行うため、無駄にならないように前もって聞きたいことを考えておきましょう。
注意することは?
注意してほしいのは、セカンドオピニオンは自分の希望する治療方法を探すものではありません。
例えば、最初の医院で歯を抜かなければいけないと言われたとします。
自分では歯を抜きたくないからといって、歯を抜かないという診断をくれる医院を探すものではありません。
それを探すためにいくつもの医院に行っていると状況も悪化してきてしまいます。
また、歯を抜かないという診断をされたとしても、今後を考えると抜いた方がよかったというケースもあります。
先入観を持つのはやめて、しっかり治療に対するメリットやデメリットを聞き、それを踏まえた上で決断しましょう。
自分でセカンドオピニオンを受ける歯科医院を探す方法と選び方
元々行っていた歯科医院に相談してもセカンドオピニオンを受ける歯科医院を紹介してもらえない場合、自分で新たな歯科医院を探す必要があります。
どうやって歯科医院を見つければいいのか分からないと思いますが、もし、なにかの治療が終わらない、痛みが引かないということであれば、今行っている治療の専門分野の医院に行くのもひとつの方法としてあります。
歯周病専門医や根管治療専門医、口腔外科、矯正歯科など一般の歯科医院ではなく、その分野に特化した歯科医院があります。
専門分野を持っている先生だと、たくさんの症例の経験をしてきたり、知識も豊富だったりします。
ただ、保険ができない治療になってしまうこともありますので、しっかり話を聞きましょう。
もし根っこの治療がなかなか終わらない、歯周病と言われて通っているものの膿がずっと出続けているなど、原因がわかっている場合はそういったものも考えてみるといいと思います。
一般の歯科医院での選び方として一番大切なのは、やはりしっかり話を聞いてくれる歯科医院を選ぶことです。
そして治療の選択肢とそれぞれの治療についてのメリットやデメリットを話してくれる先生であることがとても重要です。
例えば、「この歯はもうだめだから、抜いてインプラントにしましょう」なんていきなり決めつけて言う先生は患者さんの気持ちをなにも考えてないということがわかります。
(インプラントが良くないわけでは決してありません。)
治療方針について説明し、ちゃんと相談に乗ってくれて、気持ちをしっかり汲み取ってくれるような歯科医院が見つけられれば理想的ですね!
まとめ
セカンドオピニオンについて、理解していただけましたか?
元々通っていた歯科医院の主治医にセカンドオピニオンを申し出るのは悪い気がして我慢してしまうという方もいるかもしれません。
しかし、自分の身体は一生付き合っていくものです。
そして歯は治療をしてしまったら、元の完全な状態に戻すことはできません。
自分の納得する、納得できる治療をしましょう。
そして、もしなにか不安や疑問に思うことがあったら遠慮せずに言うようにしましょう。
どこの歯科医院でも先生と患者さんの信頼関係はとても大切なものになります。
しっかり自分の思っていることを伝え、それに対して説明してくれる、対応してくれる先生との間に信頼関係は生まれます。
患者さんが不安を抱えて治療を受けに来ることは、医師であれば誰もが承知しています。もしセカンドオピニオンを申し出た時に主治医の先生が怒ってしまったり、ムッとしてしまったりするようなら信頼関係は構築できませんよね。「黙って俺の言うことだけ聞いていればいいんだ!」と言われているのと同じことです。
もしそういったことがあれば、いくら腕が良い先生だとしてもそれは違う医院への転院を考える一つの要素となります。
これでいいのかな?と思う場合は、ぜひセカンドオピニオンの制度を利用して、自分の納得のできる治療をしましょう!