歯科関係者が教える!顔や歯ぐきが腫れた時の原因と応急処置・対処法

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虫歯やその他様々な原因で歯茎や顔が腫れる場合があります。

顔まで腫れるの!?という方もいれば、実際に体験した方もいらっしゃると思います。

 

今回は顔や歯ぐきが腫れた時の原因と対処法をお伝えします。

 

 

腫れが出る時は同時に痛みが出る場合も多く、夜も寝られないくらい痛かったなんていう話もよく聞きます。

 

顔まで腫れてきてしまった方はもしかしたらその前から違和感や痛みがあったけど放置してきてしまってはいないでしょうか?

 

筆者は歯科医ではありませんが、歯科に勤務しています。

そんな私ですが結論から言うと、痛いときや腫れた時は歯医者に診てもらうこと。これに尽きます。

 

しかし歯医者に行くには予約もしないといけないし、ほかに予定もあるし。。。

なかなか行けない人もいるかもしれません。

 

そんな人には「その場しのぎ」ですが対処法があるのでお伝えしますね。

 

まず、どんな部位でも「腫れ」の原因は炎症によるものが大きく、『冷やす』というのが一番良いです。

 

例えば運動をしていて足首をねん挫した時、あなたはどうしますか?

病院に行くまでもなくても、氷で患部を冷やしますよね。

顔が腫れた時もこれに似たようなものです。

 

歯医者に行くまでに痛みが我慢できなければ、市販の痛み止めの薬を飲んで安静に。

とりあえずこの時には、当日または翌日の歯医者の予約を取りましょう。

 

 

 

それでは、原因なども詳しく説明していきます!

 

 

 

虫歯で顔や歯茎が腫れる?

 

腫れる時は細菌が原因で腫れることが多いのですが、詳しいことはわからない方が多いと思います。

虫歯で顔や歯茎が腫れてしまったとき、お口の中ではなにが起こっているのでしょう。

腫れてしまう原因やどのように対処したらいいのか、薬について注意してほしいことも説明していきたいと思います。

そのようなことはできれば起こってほしくないですが、もし起こってしまったらこちらの記事を参考にしてみてください。

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〜歯周病の場合〜

歯周病は自然に治癒することはありませんので、歯医者に行きましょう。

歯周病は慢性的な病気で、普段あまり痛みは出ないものですが、急性症状として突然腫れる、痛みが出るということがあります。

 

 

親知らずが痛いということはたまに聞いたことがありますよね?

親知らずは一番奥の歯で磨きづらく、そのため汚れもたまりやすいです。

そして親知らずの手前の歯との間にポケットができるため、そこにも汚れが入りやすく、しかもポケットの中に入ってしまうと普段の歯ブラシだけでは落とすことができません。

 

親知らず以外でも同じようなことが起こっていて、ポケットが深くない場合は汚れも入りづらいですが、ポケットが深くなってしまうと汚れが入りやすくなってしまうので歯周病は進行させないようにすることが大切です。

 

このようなことは痛みや腫れが出る前から起こっていることなのですが、普段は身体の中の抗体が、痛みなどが出ないように働いています。

 

しかし、忙しくて身体が疲れている時や、体調を崩している時、寝不足の時などは抗体の働きが弱くなり、その結果、急に痛みや今までにはない腫れが出たりします。

 

そういった場合はひとまずお口の中の細菌の量を減らすことが大切です。

一番効果的なのはやはり歯科医院に行って消毒することです。

普段自分では掃除することのできないポケットの中を直接消毒できるので細菌もしっかり洗い流してくれます。

 

症状が落ち着いたら、親知らずの場合は抜いてしまった方が、後々同じことが起こらないので楽だと思います。

ただ抜歯するにはいろいろな問題もありますので先生と相談してみてください。

 

それ以外の、歯周病の場合は残しておかなければいけない大切な歯なので親知らずみたいに抜くわけにはいきません。

細菌が溜まってしまったことが原因なので、日々のブラッシングをしっかりして汚れを取るようにしましょう。

そして、定期的に歯科医院でクリーニングをし、自分では取れない部分の汚れを取ることが大切です。

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〜歯根嚢胞(しこんのうほう)の場合〜

 

歯根嚢胞とは歯の根っこに膿が溜まってしまう病気です。

神経の治療をした歯に診られる場合があります。

これも歯医者にしか直せませんので、放っておくと危険です。

 

神経の治療をしたときにそれが不十分だった時、なんらかの形で歯の根っこの中(神経の通路)に細菌が入り込んだ時に感染を起こしてしまいます。

 

そうすると歯の根っこの先に膿の袋ができるのです。

神経の治療をしていなくても、大きい虫歯を放置していたり、衝撃や温度などで神経が死んでしまったりした場合も歯根嚢胞はできます。

 

最初のうちはまだ小さいのですが、それを放置してしまうとどんどん大きくなってきます。

しかも周りの骨を溶かしながらどんどん大きくなっていくのです。

大きくなった時に歯茎が腫れる場合がよくあります。

それがひどくなってくると顔まで腫れてきてしまう場合もあります。

 

歯茎などに膿の通路ができると、腫れることはないのですがそこから膿が出続けているため毎日膿を飲んでいることになります。

ごく稀にですが、その通路が顔に出来てしまい顔から膿が出てしまうケースもあるのです。

 

もし歯根嚢胞が出来てしまった場合はできるだけ早く歯科医院に行く事をお勧めします。

治療法としては、すごく腫れている場合は一度切開をして膿を出す、抗生物質を飲んで落ち着かせてから治療に入る場合が多いです。

 

腫れが落ち着いたら神経の治療をします。

基本的には神経の治療をするのですが、それで治る場合もあれば、治らない場合もあります。

そういった時は歯茎を切って直接膿の袋を取る場合もあります。

それでもダメな場合は最終的にその歯を抜くことになります。

 

膿の袋が出来てからしばらくたっていると状態も悪化しているので治るまでに時間がかかる場合もあります。

その場合も途中でやめたりせずに最後までしっかり治療を終わらせましょう。

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先ほどの2つは歯茎や顔が腫れた時に考えられる原因としてよく挙げられます。

ですがそれ以外にも原因となるものはいくつかあります。

 

顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)の場合

これは歯を支えている顎の骨の中にある骨髄に炎症が起きる病気です。

原因としてはいくつかありますが、一番多いのは虫歯や歯周病が悪化したり、抜歯したりした時などに細菌が顎の骨の中に入り込んで炎症を起こします。顎骨骨髄炎になると歯茎がかなり腫れる、膿が出る、痛みが出るなどの症状があります。また悪化すると高熱が出る場合もあります。

 

治療法としてはその状況にもよりますが、原因となる歯の神経の治療や抜歯、炎症がある部分の骨を削るなどがあります。

 

 

口腔癌の一つである歯肉癌の場合

こちらも歯茎が腫れるのですが、最初は歯周病と同じような症状なのでなかなか気づきにくいです。

歯茎が腫れるだけではなく、口内炎がずっと治らなかったり、部分的に歯茎が白っぽくなっていたりする場合は注意が必要です。

もっと悪化してくると歯茎がただれたり、潰瘍やできものができたりします。

歯肉癌はあまり多くはないものですが、癌なので広がって顎の骨を溶かしたり、全身にがん細胞が転移したりする恐れもあります。

原因ははっきりしていないですが、虫歯や歯周病をずっと放っておいている、合わない入れ歯を使っている、飲酒や喫煙をするなどで、40歳以上の男性の方が起こりやすい傾向があります。

 

歯茎や顔が腫れる原因はこれだけではありませんが、どの原因であっても治療はできるだけ早い方がいいので、もし気なる場合がある方は早めに歯科医院に受診するようにしてください。

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腫れや痛みを和らげる市販薬の服用・副作用について

 

最初に説明した歯周病や歯根嚢胞やなどは基本的に細菌によって感染してしまったことが原因です。

腫れた時や痛みが出た時は、抗生物質や痛み止めを飲むと症状が落ち着きます。

ただそれは薬が効いている一時的なものであって、根本的な原因を取り除かなければいずれはまた再発します。

 

歯科医院に行くのが嫌な方や苦手な方で、薬をずっと服用し続けている方がたまにいますが、それは身体にとってとても負担になってしまいます。

毎日飲んでいると、例えば胃潰瘍や胃がんになってしまうなどの問題が出てしまったり、薬が効かなくなってしまったりする可能性が出てきます。

また、身体に入った物質を分解する肝臓の負担が大きくなったり、身体の抵抗力が衰えて病気になりやすくなったりもします。

更には薬には元々副作用もあります。

 

最近では、薬は身体に良くないという医師、歯科医師も多くなってきています。

偏頭痛を持っている方などはすぐ治るものでもないのでなかなか難しい部分もありますが、歯の場合は治療をすることで治せる場合がほとんどです。

しっかり治療し、頻繁に薬を服用することは自分の身体のためにもできるだけ止めるようにしましょう。

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何はともあれ、痛みや腫れは放っておいても悪くなるだけです。

冷やしたり市販薬を飲んだところでその場しのぎにしかなりませんので、しっかり歯医者に診てもらい、適切な処置をしてもらいましょう!

 

 

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