虫歯が進行してしまい、もう歯を残せないと言われた!
歯周病で歯がグラグラしてしまい、もう抜かなければならないと言われてしまった!
歯はなるべくだったら抜かないで残しておいた方がいいのですが、状態が極めて悪くて残すことが不可能な歯をそのままにしてしまうと逆に他の歯に悪影響が出てきたり、歯周病が進行してしまったり、膿が出てきてしまうということが起こり得ます。
そこまでなってしまったら抜いて、次の選択肢を考えることも大切です。
歯を抜いた後はどのような選択肢があるのでしょう。
または抜いてそのままにしておいたら何が起こるのでしょうか?
歯を抜いても今までと同じように食事をできるのが一番ですよね。
また、食事だけではなく審美面(見た目)や費用などの問題もあると思います。
今回は歯を抜いたあとにはどうすればいいのか、なにができるのかについて説明していきたいと思います。
歯を抜いたあとの選択肢
残念ながら抜かなければいけなくなってしまった歯。
抜いたあとはどのような選択肢があるのでしょうか?
その選択肢とそれぞれのメリット、デメリットについて1つずつ説明していきます。
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ブリッジ
歯を抜いた後、一般的に使われるブリッジ。
ブリッジは抜いた歯の両隣の歯を削り、その両隣の歯を支えにして抜いた部分にダミーの歯を作るというものです。
メリットとしては基本的には今までと同じように違和感なく食事ができます。材料によって保険適用内と適用外のものがあり、適用内のものだと安価で作ることもできます。
それからインプラントと違い外科処置をせずにできるのですが、デメリットとしては両隣の健康な歯を削らなければいけません。保険適用内の材料だと金属を使う為、審美面が優れていない、長期間使っていると金属が腐食してしまうなどの問題があります。
それからダミーの歯の下は隙間が狭く、汚れが溜まりやすく清掃もしにくいので注意が必要です。
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インプラント
インプラントは顎の骨の中に人工歯根を埋め込み、その上から被せ物をするものです。こちらも食事の際などは特に違和感がなく、自分の歯と同じように食べることができます。
基本は1本の単独でできるので清掃もしやすいです。
ただ、インプラントは外科処置なので誰でもできる治療方法ではありません。
それからブリッジは治療してすぐ治療を開始できますが、インプラントは歯茎や骨が治ってからではないとできないので時間がかかってしまうのがデメリットです。
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部分入れ歯
部分入れ歯は歯も削らず、そして外科処置もせずに作ることができます。
しかし取り外し式なので違和感が出てしまったり、こちらも保険治療と自費治療がありますが、保険治療で金属の部分があるので開けた時に見えてしまう位置だと審美面でも問題があったりします。
歯を抜くとこれらの選択肢があります。
それぞれメリットやデメリットがあるのでそれらを考えた上で自分にあった選択をしましょう。
抜いたままにしておくとどうなるのか?
稀に抜いたままなにも治療せず、そのままにしている人がいます。
そのままにしているとたくさんの問題が出てきてしまいます。
まず前歯だと見た目の問題が出てきてしまいますね。
歯は見た目の印象を大きく左右します。
それから、歯は常に動こうとしていて、上下左右の歯があることによって今の位置が保たれています。
よって、歯は前に傾く、移動するという性質があります。
そのため特に奥歯の場合、抜いた歯をそのままにしてしまうとその奥の歯が前に傾いてしまうのです。
前に傾くことによって清掃がしにくくなり、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
また、歯は噛み合わせた時の相手がいないと伸びてきてしまう性質があるため、噛み合わせがなくなってしまった歯は時間が経ってくると上の歯は下に、下の歯は上に伸びてきてしまいます。
それによって逆側の歯茎に刺さってしまう場合もあります。
歯が移動してしまうことによって、そこの部分の噛み合わせが狂ってしまいます。
噛み合わせが狂ってしまうと、しっかり噛み合わせることができなくなり身体のバランスが取れなくなったり、スポーツなどの瞬発力もなくなったりしてしまいます。
それから、食事の際も噛みにくく、食べにくくなってしまいます。そうすると無理に噛もうとして、それが癖になってしまい、顔のバランスが崩れてしまいます。
噛むということで脳は刺激を受け、活性化します。
しっかり噛めなくなると高齢の方は認知症のリスクも上がってしまうのです。
歯を抜いたまま放置してしまうとこんなにたくさんの問題が出てきてしまうのです。
そのままにせず、しっかり次の治療に進みましょう!
歯を抜いたのが初めてではない場合
歯を抜いたのが初めてではない場合、例えば左上と右下など場所が全然違うと問題はありませんが、2本連続の隣り合った歯や、近くの歯が抜けてしまうと問題が出てきます。
インプラントなら2本それぞれ入れられる場合もありますが、ブリッジだとその支える歯の負担が増えてしまうのです。
例えば1本抜いた場合は3本分の歯を2本で支えます。
それでも1本あたりの負担は大きくなるのに、もう1本抜いてしまったら4本分の歯を2本で支えなければなりません。
噛む力は思っているよりもとても強いです。
抜く本数が増えれば増えるほど支えになっている歯の負担が大きくなり、寿命がどんどん減っていき、その支えている歯自体がダメになってしまう可能性もあるので注意しましょう。
それから、これはブリッジやインプラント、普通の被せ物などでもそうですが、歯をつなげればつなげるほどメインテナンスが難しくなってしまいます。
歯は、本来は1本1本単独であるものです。
ですが、ブリッジでくっつけたり、隣同士で治療するからと、くっついた被せ物をつけたりすると歯と歯の間にデンタルフロスが通せなかったり、汚れが溜まりやすくなったりしてしまいます。
それは本数が多くなればなるほど問題が出るリスクが高くなります。
ブリッジや、1つの歯が動揺していて1本単独にするのは難しいという場合は仕方がないですが、もし単独でできるのであればそちらの選択したほうが後々メインテナンスをしやすくなるので覚えておきましょう。
その後のメインテナンスもしっかり!
歯を抜いたあとはどのような選択肢があるのか分かりましたか?
どのような選択をしてもその後メインテナンスをすることが大切です。
ブリッジだと汚れが残りやすく両隣の歯が虫歯や歯周病になってしまうことがあります。
そしてインプラントでもしっかり歯磨きができていないと他の歯と同じように歯周病になってしまうことも十分に考えられます。
インプラントの部分が歯周病になってしまうとまた外科処置をして人工の歯根を取ることにもなりかねません。
そうするとブリッジもインプラントも再び同じ治療ができなくなる場合もあります。
必ず、メインテナンスをしっかりしていきましょう!
そして、ぶつけてしまったなどで抜いた歯は別ですが、虫歯や歯周病で抜くことになってしまった場合、同じお口の状態、同じ生活習慣や食生活でそのままなにもしなければ、また別の歯も同じように抜くことになってしまう可能性が低くはありません。
歯磨きや食生活を見直し、定期的に歯科医院で検診を受けるなど、再び同じことにならないように意識を変えていきましょう。
抜いてしまった歯はもう元に戻ることはありません。
これ以上抜歯する歯を増やさないように気をつけていきましょう!