歯ぎしりは寝ているときに無意識でしている場合が多く、本人は気にならないものの、一緒に寝ていたり、近くで寝ていたりすると、キリキリいう音がとても気になってしまうものです。
本人はぐっすり寝ているのに、一緒に寝ている人は寝不足になってしまうのは、周りの人からすれば悲しいものですね。。。
起きたら、「歯ぎしりしてたよ」と言われた経験がある人も少なくないのではないでしょうか?
歯ぎしりはそんなに珍しいものではないですが、実はお口や身体にとってかなり悪影響があることを知っていますか?
もし歯ぎしりをずっと続けていると身体のいろんなところから不都合が出てきてしまうかもしれません。
普段気になっている肩こりや頭痛も、もしかしたら歯ぎしりが原因の場合も!
歯ぎしりは治療することができるので、そちらについても説明していきたいと思います。
人から言われて気になっている人、起きると顎が疲れている人、肩こりや頭痛がある人も、参考にしてみてください!
歯ぎしりの種類、歯ぎしりをしてしまう原因
歯ぎしりには大きく分けて3つの種類があります。
グラインディング
1つめは、歯を噛んだ状態で左右にこすり合わせるグラインディングです。
一般的に歯ぎしりといわれるもので、こすり合わせることによってキリキリと音がなってしまい、周りに迷惑をかけてしまいます。
クレンチング
2つめは食いしばりとも言われるクレンチングというもので、長い時間上下の歯をぐっと噛みしめている状態です。
こすり合わせているわけではないので、グラインディングのように音が鳴るわけではなく、周りの人は気づきにくいです。
タッピング
3つめはタッピングで、上下の歯をカチカチとぶつけ合って音を鳴らします。
こちらも音が鳴ってしまうので周りの人は気になってしまいます。
タッピングはずっと噛み合っているわけではないので、グラインディングやクレンチングに比べると歯や顎にかかる負担はまだ少ないです。
基本的には寝ているときに無意識で行っている場合が多いですが、日中でも歯ぎしりをしている方が近年増えてきました。
特に仕事などでパソコン作業をしていて、気づいたら食いしばっているという方が多くなったと言われています。
歯ぎしりや食いしばりをする原因として一番多いと言われているのはストレスです。
現代では、仕事や人間関係などで多くの人が大なり小なりのストレスを抱えています。
そのストレスを発散できずに溜め込んでしまうと、それによって寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをしてしまうのです。
ほかにも、噛み合わせが悪い場合にも歯ぎしりをしてしまう傾向があります。
噛み合わせが悪いことによってバランスが崩れてしまい、首や肩などに負担がかかってしまいます。
そのストレスから歯ぎしりへつながっていくという場合があります。
飲酒や喫煙、疲れなどでも歯ぎしりを誘発してしまうこともあります。
いまいちど、ご自身の生活を振り返ってみてください。歯ぎしりに悩んでいる場合、思い当たることがあるのでは?
歯ぎしりがもたらす悪影響
実は寝てる間無意識のうちにしている歯ぎしりは、普段食事で噛み合わせているときの何十倍もの強い力がかかってしまっています。
しかも日中に上下の歯が噛み合っている時間というのは、食事中噛んでいる時だけで、それ以外の時間は噛み合っていないのが正常な状態です。
1日を通しても、噛み合っている状態は数分程度となります。
それを考えると、長い時間にわたってものすごく強い力で噛み合っているということは、身体にとって異常な状態だということがわかると思います。
それを続けてしまっていれば、口や顎、身体にとても負担がかかってしまいますよね。
具体的な症状を紹介していくと、まずお口の中の問題としては、強くかみ合わせることによって顎や骨に負担がかかってしまうので、顎関節症になってしまったり、歯ぎしりが原因の歯周病になってしまうことがあります。
せっかく歯磨きを頑張っているのに違う原因で歯周病になってしまうのはとてももっていないことです。
また、歯にも負担がかかってしまうので、一箇所が強く当たっているとその歯が割れてしまったり動揺(ぐらぐら)してしまう、また、詰め物や被せ物が取れてしまうということもあります。
それから歯をこすり合わせることによって上下の歯のお互いを削ってしまうことになり、だんだんと歯が削れてしまう、また横からの力もかかるので歯の根元の部分が飛んでしまう(欠けてしまう)ということもあります。
それによって知覚過敏になることも少なくはありません。
また、口や顎だけでなく、全身にも影響が出てくる場合があります。
歯ぎしりをしているときは力が入っているので、肩こりや頭痛の原因となることがあります。
また、力強く噛み合わせることによって顔の筋肉がつき、顔が大きくなってしまうということもあるのです。
歯ぎしりの治療方法
歯ぎしりは無意識のうちに行っているため、自分で気をつけて治すということができません。
また、原因がストレスであることが多いので、それを確実になくすというのもなかなか不可能に近いことだと思います。
そのため、一番効果的なものとしてはマウスピースを作ることです。
マウスピースを装着して寝ることによって、歯と歯の間のクッションとなってくれて歯を守ることができます。
歯が削れてしまうと元に戻すことはできないですが、マウスピースが削れてもまた何度でも作り直すことができます。
マウスピースは歯科医院で作ることができます。
基本的には型をとってその人用のものを作るため、2回の通院が必要になります。
最近では市販で歯ぎしりのためのマウスピースが売っていますが、市販のものだと自分の歯列や形に完全に合っているわけではないので、逆に噛み合わせを悪くしてしまったり、しっかり歯を保護できなかったりという問題が出てくることがあります。
そのため、できれば歯科医院で作ることをお勧めします。
他に噛み合わせが悪い場合は噛み合わせの調整や、歯並びを良くするために矯正を行うという方法もあります。
特に歯並びが悪くて矯正をする場合は、ブラッシングがしやすくなって虫歯や歯周病予防になったり、審美面も良くなるのでおすすめです。
しかし、噛み合わせの調整や歯列矯正によって歯ぎしりや食いしばりが確実になくなるというわけではないので、やはりマウスピースの併用をお勧めします。
他に薬を服用するという方法もありますが、効果があるのは薬を服用している時のみです。
長期的に見るとあまりお勧めすることはできません。
日中においては、意識することができるため、パソコン作業をしている際に気づいたら食いしばっているという方は、「食いしばり注意」などと書いた紙をパソコンに貼ったり、目印となるシールなどを貼ってそれを見たら意識するということだけでも効果的です。
起きている間の歯ぎしりは、ある程度制御ができるということですね。
また、飲酒や喫煙を控えたり、疲れをなるべく残さないようにすると寝ている間の歯ぎしりも軽減できる場合があるので、心当たりのある方は気を付けましょう。
早めの予防を
先ほども書いたように、歯ぎしりや食いしばりをすることによってたくさんの弊害が出てきてしまいます。
特にお口の中の問題はとても大きく、しかも、歯が欠けたり削れてしまう、歯周病が進行してしまうと元の状態に戻すことができません。
それなので歯ぎしりや食いしばりは放っておいてはいけないことで、早いうちから予防をしていかなければならないのです。
もし、人から注意されたことがある、自分でも心当たりがあるという方はマウスピースを作ることをお勧めします。
また、舌の両脇に凸凹した後がある方は歯ぎしりによって舌を歯に押し付けている跡なので、歯ぎしりや食いしばりをしている可能性がとても高いです。
朝起きた時に顎が疲れている場合も恐らく歯ぎしりをしていたのでしょう。
そんな場合は一度歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか?
将来の自分のお口や身体のために、今から気をつけていきましょう!