指しゃぶりは出っ歯になる?癖と歯並びの関係性とは?

今回は指しゃぶりについて説明していきたいと思います!

 

指しゃぶりは赤ちゃんにとって本能的なものです。

赤ちゃんには唇に触れたものを反射的に吸う、「吸啜反射」が備わっています。

これによって誰に教えられるわけでもなく母乳やミルクを飲むことができるのです。

 

指しゃぶりをするという行為はお母さんのお腹の中にいる時から始まっています。

「吸う」というとこで赤ちゃんは精神的に落ち着くことができるので、眠気があるときや寂しいときに指しゃぶりをする傾向があります。

 

 

そんな指しゃぶりですが、赤ちゃんのうちは特に問題がなくても、そのまま癖となってずっと続けてしまっていると歯並びに悪影響を与えてしまう場合があります。

 

成長しても指しゃぶりを続けている場合、やめさせるためにはどのような方法があるのでしょう?

 そして、どのくらいまで続けていていいものなのでしょうか?

また、指しゃぶりが止められずに歯並びが悪くなってしまった場合、歯列矯正をする場合もありますが、他にも大切なことがあります。

 

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指しゃぶりが歯並びに与える悪影響

 

赤ちゃんのうちはまだ歯が生えていないので指しゃぶりをしていても問題はないですが、特に永久歯になってからも続けてしまっていると歯並びに影響が出てきてしまいます。

 

一番多いのは、指が上の前歯を押し上げる力がかかることによって、出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)になってしまうのです。

 

前歯が噛み合わない、開口になってしまうこともあります。

開口とは上下の歯を噛み合わせたときに前歯の間に隙間ができてしまい、前歯で噛むことができなくなってしまいます。

これも指しゃぶりのときに上下の前歯で指を噛んでいるため起こってしまいます。

 

 

問題が出るのは前歯だけではありません。

 

奥歯に影響が出る場合もあります。

おしゃぶりをするときに指を吸っているのですが、吸う時の頬の筋力で奥歯が内側に押され上の歯の歯列の幅が狭くなります。

それによって下の歯の歯列の幅の大きさとのバランスが崩れてしまい、全体の噛み合わせがずれてしまったり、中心部分がずれてしまったりしてしまいます。

 

そして歯並び以外にも悪影響はあります。

開咬(かいこう:オープンバイト)や出っ歯になってしまうことにより、口がいつも空いている状態になってしまいます。

そうすると鼻よりもたくさんの空気を吸えるため口呼吸になってしまうのです。

口呼吸になってしまうと身体にとってとてもマイナスな面が多いです。

 

風邪を引きやすくなってしまったり、虫歯や歯周病になりやすい、アレルギーを起こしやすい、さらに出っ歯になってしまうなど、たくさんの弊害が出やすくなってしまいます。

 

それ以外でも噛み合わせがしっかりしていないと、食べづらくなってくちゃくちゃとした食べ方になってしまったり、発音にも影響が出てしまい舌ったらずな話し方になってしまったりとたくさんの問題が出てしまいます。

 

それでは指しゃぶりはいつまでしていて問題がないのでしょうか?

それは次で説明していきます。

 

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指しゃぶりは何才まで?

 

指しゃぶりは3歳くらいまでは、していても特に問題はありません。

赤ちゃんのときの生理的欲求の名残で行っている場合がほとんどです。

これくらいのうちは、まだ温かく見守りましょう。

 

3歳を過ぎると幼稚園や保育園に通い始める時期でもあり、それをきっかけに自然とやめていく場合があります。

この年齢になると子供自身の友達付き合いができてきて、友達に見られたくない、恥ずかしい、と思うお子さんも出てくるんですね。

3歳を過ぎても自然にやめない場合は、まず、最初の段階として「指しゃぶりはいつかやめるもの」ということをお子さんに伝えます。

「指しゃぶりをしていたらカッコ悪いよ、バイ菌が入っちゃうよ」「◯歳の誕生日までにはやめようね」などと少しずつ言い聞かせて、分からせていくことが大切です。

 

 

乳歯のうちはまだ問題はありませんが、5歳を過ぎて永久歯の生え替わりが始まっても続けてしまっていると歯並びに悪影響が出てきてしまいます。

そしてこの時期になっても指しゃぶりが癖になっていると、自然になくなることはほとんどありません。

 

きちんと伝えて辞めさせることも大切ですが、爪に苦味成分のあるマニキュアを塗ったり、リボンをつけて意識させるという方法もあります。

 

気を紛らわすために外遊びや運動をさせたり、寝るときは本を読んであげる、寝付くまで手を握ってあげるのも効果的です。

 

指しゃぶりはただの癖の場合もあれば、生活環境に問題があったり、精神的な部分が原因になることもあります。

もし、心理的、環境的に問題がある場合はそれを取り除くよう努力しましょう。

 

もしそれでも治らないようであれば歯科医院で先生に相談し、指しゃぶりをなくすようにしましょう。

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すでに歯並びがわるくなってしまっている場合の対処法、MFTとは?

 

すでに指しゃぶりによって歯並びに影響が出てしまった場合はどのようにすればいいのでしょうか?

 

まず全てが乳歯の時期であればこれから永久歯に生え変わるのでそこまで気にすることはありません。

生え変わったあとも影響が出ないことがほとんどですし、5歳ごろまでであれば骨格への影響もありません。

 

ですがこのまま続けていると問題が出てきてしまうため、指しゃぶりをやめさせるトレーニングをしなければいけません。

 

5歳を過ぎ、小学校に入学する前後くらいから永久歯の生え替わりが始まります。

だいたい全て永久歯になるのは11歳頃です。

この頃から、歯列や顎の発達に影響が出るようであれば矯正治療をスタートすると良いでしょう。

 

歯並びが悪くなってしまった場合は、歯列矯正を行わなければ綺麗にすることはできませんが、もう一つ大切なことがあります。

 

それは口腔筋機能療法です。Oral Myofunctional Therapyの略でMFTともいいます。

これは例えば、開咬になっている場合、原因は指しゃぶりだとしてもそれによって口の周りの筋肉も弱くなっています。

そうすると歯並びを良くしてもそれを支える周りの筋肉がしっかりしていないため、また歯並びが元に戻ってしまう可能性があります。

 

せっかく時間とお金をかけて歯列矯正を行なっても元に戻ってしまったら意味がないし、もったいないですよね。

このMFTで唇や舌、頬などの口腔顔面筋のトレーニングを行うことによって歯列の後戻りを防ぎます。

そのために、このMFTはとても重要になってきます。

歯列矯正は器具をつけるだけの場合もありますが、MFTは毎日自分で行うトレーニングになります。

子供だけでは毎日行うことが難しいため、大人のサポートも必要となってきます。

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焦りすぎずに成長を待ちましょう

 

指しゃぶりは自然にやめられない場合、サポートすることが必要となってきます。

まずは声掛けから始めていきますが、決して怒ったりはしないように注意してください。

 

なかなかすぐには止められない子供も多いですが、じっくりと向き合ってあげましょう。

 

もしなかなかやめなくて悩んでしまっている場合はぜひ歯科医院に行き相談してみください。

専門家にしかわからないこともあるので、役に立つこともあると思います。

伝え方ややり方を変えるだけでぱったりとやめてくれる場合も良くあるようです。

 

もし一度やめてから復活してしまった場合は、環境の変化や不安な面から復活している場合が多いです。

そんな時は無理に止めさせたりせず、コミュニケーションをたっぷりとって話を聞き、安心させてあげましょう。

環境の変化に慣れたり不安なことがなくなれば、またしなくなることがほとんどです。

 

あまり焦らずに、お子さんと一緒に楽しみながら頑張っていきましょう。

 

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