歯の検診はとても重要
みなさんは歯の検診には行っていますか?
日本では昔よりもお口の中の関心が高まったとはいえ、歯科の定期検診はまだまだ行かれてない人が多いと思います。
もう10年以上も歯科医院に行ってない人も多いのではないでしょうか?
歯医者には痛い、怖い、長くかかりそうなどのイメージを持っていてあんまり気が進まないな〜なんて思っている人が多いと思いますが、歯科で働いていて定期検診の大切さを知っている身としては5年、10年以上歯科医院に行ってないなんてどうなっているんだろう…!
と思ってしまうのが本音です。
「私はむし歯ができにくいから大丈夫!」
なんて思っている人もいらっしゃって、実際にむし歯ができやすい、できにくい人がいるのですが、心配するべきはむし歯だけではないのです。
詳しいことまで理解している方はあまり多くないかもしれないですが、歯周病もむし歯と同じくらい、状態によってはそれ以上に怖いものです。
今のケアが10年後のお口を作ると言われています。
今回の記事で歯の検診の大切さを理解して、お口に関してもう少し考えていただけるといいなと思いますのでぜひ読んでみてください。
歯の検診、海外の先進国での歯科事情
冒頭で日本では…と言いましたが、海外の先進国では定期的な歯の検診が当たり前になっています。
アメリカでは保険診療がなく全て自費での負担となってしまうため、むし歯できたり歯周病が進行したりして痛みや不都合が出てから歯医者に行くのではなく、むし歯ができないようにするために予防処置として定期的に歯の検診に通います。
その理由だけではなく、アメリカではお口の衛生や審美に対する関心が高いため、子供の頃から矯正をしたり、ホワイトニングをしたりというのが当たり前になっています。
海外の映画で、矯正器具をつけている子供を見たことがあるのではないでしょうか?
それほど一般的になっているということですね。
歯並びが悪いといじめの原因にもなってしまうそうです。
そしてむし歯予防先進国といえばフィンランド。
フィンランドでも昔はむし歯が多かったのですが、歯科治療を行う保険費用よりも予防に支払う費用のほうが大幅に少なくなるということがわかり、国を挙げて予防処置の大切さを国民に分かってもらうよう取り掛かりました。
歯科医師を増やし、予防の大切さを徹底的に指導。
そしてキシリトールやフッ素をうまく使いながら、現在では12歳児の平均むし歯の本数について日本とフィンランドを比較すると、日本が3.6本に対してフィンランドは1.2本と約3倍もの差があることがわかります。
ちなみに1970年代のフィンランドではそれが7本だったというのだから、ものすごく効果が出ていると言えます。
そういった効果を出すために、フィンランドでは19歳までは一般歯科、矯正歯科の全てが無料で受けられるのです。
とてもうらやましい環境ですが、日本ではそんな環境はないので、自分の歯は自分で守っていくしかありません!
歯の検診の重要性、少し分かってきましたか?
次に検診でやること、大切さをお話ししていきます。
歯の検診ではなにをやるのか?
歯の検診では具体的に何をするのか?
それを説明していきたいと思います。
歯の検診では主にむし歯のチェックとクリーニング、それからブラッシング指導を行います。
それぞれの順番や細かいやり方は歯医者によって異なります。
歯の検診の流れですが、まずクリーニングでは歯垢や歯石、着色などを取っていきます。
歯垢と歯石は混同しやすいのですが、歯垢はプラークとも言い、細菌のかたまりです。
このプラークがむし歯や歯周病が進行していく原因になります。
歯石は、その歯垢の細菌などが死に、硬く石灰化したものです。
歯垢は歯ブラシで落とすことができるのですが、歯石は歯ブラシでは落とすことができません。
そのため歯石は歯科医院にある専用の機械や器具で取っていきます。
歯の検診はまだ終わりではありません。
それらを取った後、ゴムのブラシを使ってポリッシングというものを行なっていきます。
これは歯の表面を磨いていくのですが、これによって歯の表面の細かい汚れや着色を落とし、それから歯の表面をツルツルにして汚れをつきにくくします。
あとは歯科医院ごとに違うのですが、細かいところをケアしたり、デンタルフロスや歯ブラシを使ったりしてクリーニングは終了となります。
むし歯のチェックは全体的に見てむし歯があればその後に治療となり、怪しいところがあればカルテなどに記入して経過観察となります。
歯の検診の締めくくりは歯磨き指導。
基本はクリーニングをして磨き方が足りないところや気になったところを指摘し、「ここはもうちょっとこうして磨いたほうが良いですよ」などとその人に合った歯の磨き方を説明をしていきます。
磨き方以外にも、間食や飲み物などの食生活指導、歯ぎしりや口呼吸、飲んでいる薬のことなど、生活している上でお口に影響していることはたくさんあるのでそういったことも気になることがあれば、質問やアドバイスをしていきます。
じゃあやることは分かったけど、歯の検診は本当にやったほうがいいのか?
次はその話をしていきましょう!
歯の検診は本当にやったほうがいいの?
まだ歯の検診をやらなくてもいいかな、と思っている人もいるかもしれません。
歯の検診、本当にやったほうがいいのでしょうか?
結論としては歯の検診は絶対やるべきなのでこの記事を書いているのですが、まず、むし歯があったら治さないといけません。
むし歯は痛みが出ないと自分では発見することができず、痛みが出る頃にはだいぶ進行しています。
1度むし歯になってしまうと、治療しない限り治ることはありません。
むし歯が進行すればするほど治療も複雑になっていき、治療にかかる金額も高くなっていきます。
例えば歯を抜くことになりインプラント治療をするとなると1本で数十万円前後かかってしまい、更には治療期間も長くかかってしまいます。
それにむし歯を治療したところは、何もしてない歯よりも再びむし歯になったり膿んだりという問題が出やすくなってしまい、そしたらまた治療して…と悪循環になってしまいます。
なので、歯の検診は定期的に行ってむし歯を作らないようにお口の中の環境を整えることが一番なのです。
それからむし歯の他に歯周病の問題もあります。
歯周病はむし歯に比べて詳しいことはわからない人が多いと思いますが、歯周病とは歯を支えている組織や骨がどんどん弱くなり、歯を支えることができなくなってしまうことです。
歯周病も初期症状では痛みなどがないため自分で気づくことができません。
最初は歯茎が炎症して腫れてくるのですが、そのままでいると歯ブラシで出血があります。
そうすると自分でも分かるのですが、その時点でも痛みはないので放っておく人が多いです。
そのまま進行していくと、歯は元々骨に埋まっていて支えられているのですが、その支えている骨が溶けていってしまいます。
そうすると歯周ポケットが深くなっていき、より汚れもたまりやすくなり、進行もしやすくなります。
そして支えている骨がなくなってくるとグラグラしていき、最終的にはむし歯でもないのに抜かなくてはいけなくなってしまう場合もあります。
そして歯周病も自然に良くなっていくことはなく、進行してしまったらそれを維持するのが限界になってしまいます。
進行すればするほどメンテナンスも難しくなっていくので進行する前に歯の検診でクリーニングをして予防していくことが大切です。
検診は本当に大切なのでぜひ受けてください!
歯の検診は痛みがなくても行きましょう
歯の検診のイメージとして、クリーニングは痛い…という印象を持っている方も多いと思います。
歯垢や歯石は歯と歯茎の境目、もしくは歯と歯茎の間に歯周ポケットというものがあるのですが、そのポケットの中についていたりします。
歯の検診に行ってこれらの汚れを取るときはどうしても歯茎を触って取っていくのです。
考えるだけで痛そう…!
と思うかもしれないのですが、健康な歯茎の場合はそんなに痛みを感じることはありません。
痛みを感じることが多いのは、歯茎が腫れている、炎症がある場合に多いのです。
そしてそういった人は結構な確率でいます。
実際、普段歯ブラシで完璧に磨けている人はとても少ないのが現状です。
毎日行うことなので相当お口の衛生に対して気にしている人でない限りは大体の人は歯茎が炎症を起こしています。
なので、毎日歯ブラシを頑張っていればクリーニング時の痛みも減るかもしれません!
歯科医院に歯の検診に行った後は家でも磨き方を気をつけるかもしれませんが、だんだんと忘れていってしまい自己流のやり方に戻ってしまうので、歯磨き指導を受けその度に思い出すようにしましょう。
歯の定期検診はだいたい4ヶ月に1回、長くても6ヶ月に1回は受けた方が良いとされています。
半年に1回は長いと思いきや、意外とあっという間に来てしまうので注意が必要です。
だいたいの歯医者ではその期間になるとハガキやメールでお知らせをくれるのでぜひそれを活用して忘れないようにし、痛みや問題がなくても歯の検診に行くようにしましょう!!