正しい歯の磨き方
みなさんは正しい歯の磨き方を知っていますか?
お口の中には常に菌が存在していて、食事をした時に糖が入っていると、
その菌が糖を栄養としてプラーク(=歯垢)を作り出します。
そのプラークが、虫歯や歯周病の原因になってしまうのです。
それを落とすために、定期的に歯科医院でクリーニングすることも大切ですが、
それより重要なのは毎日の歯磨き。
歯磨きによってプラークは落とすことができるのですが、
適当に歯ブラシを動かせば綺麗に取れるものではありません。
プラークが付きやすい位置を理解して、
そこの汚れを落とすための動かし方とブラシの当てる位置を意識して歯ブラシを動かさなければ、
せっかく毎日歯を磨いているのに無意味になってしまうかも…
歯医者には、歯科衛生士という資格を持った人がいます。
歯の治療は歯科医師が行いますが、
歯科衛生士は歯の状態を良くする・保つための仕事や、
正しい歯磨きのやり方を教えてくれたりします。
正しい歯の磨き方と言うと難しいように聞こえていまいますが、コツを覚えてしまえばとっても簡単!
マスターして、虫歯ゼロを目指しましょう!
プラークが付きやすい場所
まず磨き方を説明する前に、
どこにプラークが付きやすいのかを理解しなければなりません。
そこから勉強していきましょう!
プラークが付きやすい場所は大まかに分けると3つあります。
それは…
- 歯と歯茎の境目
- 歯と歯の間
- 奥歯の噛み合わせの溝
この3箇所がプラークのつきやすい部分となります。
この3箇所はプラークのつきやすい部分でもあり、
また歯ブラシを当てにくい、プラークを落としにくい部分でもあるので虫歯ができやすくなります。
虫歯ができたことのある方は、よく考えていただくと先ほど挙げた3つのどれかから出来てはないでしょうか?
では歯の表面にはなぜプラークがつかないのか?
なぜ虫歯になりにくいのでしょうか?
歯の表面は歯ブラシが当てやすいこともありますが、普段の生活でも汚れが落とせているのです。
例えば食事や飲み物を飲んでいる時でも物が当たることによって汚れが落ちたり、
また唾液によっても汚れを落としたりすることができるのです。
唾液にはそのような自浄作用があったり、また口内細菌の増殖を抑える抗菌効果や、
虫歯になる時は歯が脱灰(歯の表面が溶け出す)するのですが、それを修復したりしてくれる効果があります。
そのため、歯の表面や先端の方は食べ物や唾液が物理的に当たりやすいためプラークがつきにくく、
虫歯にもなりにくくなるのです。
なので、歯の表面はそこまで意識して磨かなくても大丈夫なのです。
では実際にプラークがつきやすい部分はどのように磨けばいいのか、次で説明してきましょう。
正しい歯磨きの仕方
それでは実際に正しい歯磨きの仕方を説明していきましょう!
先ほど説明したプラークのつきやすい3箇所は覚えていますか?
- 歯と歯茎の境目
- 歯と歯の間
- 奥歯の噛み合わせの溝
この3箇所ですね。
それぞれ詳しく説明してきます。
歯と歯茎の境目
歯ブラシを歯に対して直角から少し斜めに角度を変えます。(斜め45度くらい)
下の歯なら下向きに、上の歯なら上向きにしてちょうど歯と歯茎の境目に毛先が当たるようにします。
そしてその角度のまま、歯茎をマッサージするように歯茎も一緒に磨いていきます。
ここで力強く磨いてしまうと歯茎を傷めてしまったり、
知覚過敏(冷たいものなどで歯がしみること)の原因になったりしてしまうので、力は入れないでください。
優しい力でもプラークはしっかり落とすことができるので優しくマッサージするようにして磨いてください。
歯と歯の間
ここの汚れを落とすには歯ブラシを細かく動かして磨いてください。
ここが意外と大変な部分で、動かし方が大きくなりがちなのですが、そうすると間の汚れを落とすことができません。
基本は横磨きで細かく動かすのですが、下の前歯の裏側は幅が狭いのでうまく横磨きができないと思います。
そのため、そこの部分だけは歯ブラシを縦に動かして1本1本磨いてください。
奥歯の噛み合わせの溝
ここは直角に歯ブラシを当てて同じように細かく動かして磨くことが大切です。
でこぼこしている溝にプラークが残りやすいのですが、特に大人よりも子供の歯の方が溝は深く、
よりプラークは残りやすいのでお子様がいる方はそちらも注意してみてください。
慣れるまでは難しいかもしれないですが、
鏡で見ることができる部分は鏡で見ながら
歯ブラシの毛先がどこに当たっているか確認しながら磨くのがいいと思います。
特に、歯ブラシが当てにくい奥歯や歯の内側はプラークが残りやすい場所なので注意しながら磨いてください。
補助的清掃用具
補助的清掃用具とはなにか知っていますか?
歯を磨く際のメインは歯ブラシなのですが、
その補助として使うもの、例えばデンタルフロスや歯間ブラシなどがあります。
歯ブラシが一番効率良くプラークを落とすことができるので、
そこがしっかりできるようにならないといけないのですが、
歯ブラシだけでもプラークがしっかり落とせないのも事実。
というわけでいくつか紹介していきたいと思います。
デンタルフロスや糸ようじ
デンタルフロスや糸ようじは歯と歯の間に糸を通して汚れを取ります。
歯ブラシだけでは落とせない歯と歯の間のプラークを取ることができるので、
これはぜひ使っていただきたいもの。
これも正しい使い方があるのですが、ここでは省略させていただきます。
歯間ブラシ
こちらも歯と歯の間に入れて使うものですが、デンタルフロスとは少し違います。
これは歯と歯の間が空いている、隙間がある人が使うものです。
歯間ブラシにはサイズがありますが、
適性のサイズより大きいものを使って無理やり入れていたり、
歯と歯の間が空いてないのに使っていると
だんだん歯茎が下がってきたりしてしまう場合があるので注意してください。
ワンタフトの歯ブラシ
ワンタフトの歯ブラシは小さくてピンポイントで磨くことができるため、
例えば、歯列不正で歯が重なっている部分や、親知らずが生えてきたけどまだ完全に出てきていない場合、
その他奥歯などで普通の歯ブラシが当てることができない場合などに使います。
特に親知らずはプラークがたまりやすく、
それによって歯茎が炎症を起こして痛みが出る場合が多いのでぜひワンタフトを使うことをお勧めします。
代表的な補助的清掃用具はこの3点となりますが、人によってお口の中の状態はバラバラで
それぞれに合ったものを使っていただきたいので歯科医院で相談してみてください。
そして正しい使い方を理解して効率良くプラークを落としましょう。
ただ、あくまでもこれらは補助的なものなので、
一番は歯ブラシの正しい磨き方ができるように頑張りましょう!
最後に
正しい歯磨きの仕方、そして歯ブラシにプラスして使うべき補助的な清掃用具について
理解していただいたでしょうか?
最後に歯磨きをするタイミングなのですが、虫歯は、
- 歯質…歯の虫歯に対する強さ
- 虫歯菌…虫歯菌の数
- 糖質…虫歯菌の餌となる糖質の摂取量
- 時間…虫歯環境に置かれた時間
この4つが合わさることによって虫歯が作られ、進行していきます。
そのため食後に磨いていただくのが1番いいのですが、
特に夜、寝る前の歯磨きが一番重要となってくるのです。
その理由は、先ほど少しお話いた唾液がポイントとなります。
唾液は抗菌作用や自浄作用、修復作用などの働きがあるというのを覚えていますか?
夜寝ているときは唾液が出ません。
さらに口を開けて寝ている人は朝起きたら口の中がカラカラに乾いていることはありませんか?
虫歯に対して重要な働きをしてくれる唾液が出ないときは
虫歯菌にとっては活動するのにとてもいいタイミングなのです。
なので、夜寝る前の歯磨きは意識して念入りにするようにしてください。
正しい歯磨きの仕方で磨くタイミングも気をつけていただき、
いつまでも自分の歯で食事ができるように頑張っていきましょう!