みなさんは普段呼吸しているとき、口と鼻のどちらで呼吸していますか?
あまり気にしていないとどっちで呼吸をしているかわからないかもしれません。
先にお伝えしておくと、呼吸は鼻でするのが望ましいです。
鼻で呼吸したほうがよさそう・・・となんとなく聞いたことがあるという人も多いと思います。なかには、自分は絶対に鼻で呼吸している!と思っている人もいるのではないでしょうか?
しかし!
そんな人も実は人生の大半を口で呼吸をしてしまっている可能性があるんです!
今回は口呼吸によるリスクについて説明していきます。
概要
赤ちゃんは鼻呼吸のプロ!?
最初にも書きましたが、本来人間は鼻で呼吸をするようにできています。
口で呼吸するのが当たり前となっている人の中には、びっくりしている方もいるのではないでしょうか?
生まれたばかりの赤ちゃん思い浮かべてください。
赤ちゃんはみんな鼻で呼吸をしています。
母乳やミルクを飲んでいるときほとんど口から離さずに飲んでいますよね。
それは鼻で呼吸をしているから可能なのです。
ですが成長していくにつれて口呼吸に移行していってしまう人もいます。
激しい運動をした後は口から大量の酸素を取り込もうとしますよね。鼻より口の方が空気を多く取り入れられるため、徐々に口呼吸が癖になってそれが当たり前になってしまう人もいます。
鼻炎により鼻呼吸がしずらいという方もいるかもしれません。
「もう赤ちゃんじゃないんだし、呼吸できればどっちでもいいんじゃない?」と思う方もいると思いますが、それは大きな間違いです。
口呼吸をすることは身体にとっていいことではなく、むしろとても危険なことなのです!
口呼吸と鼻呼吸、なにが違うの?
なぜ口で呼吸をすることが危険なのでしょうか?
鼻と口で呼吸することにどのような違いがあるのでしょう?
鼻が「呼吸」にどれだけ役立っているのか?
実はとても機能的なんですよ!
鼻には鼻毛が生えていますね。
空気中にはさまざまな種類のウイルスや細菌、化学物質が含まれています。
鼻で呼吸する場合、鼻毛があることによって空気中のウイルスや菌を取り除く、フィルターのような役割をしてくれます。
それにより、なんと50〜80%の細菌やウイルスなどが身体に入るのを防いでくれると言われています!
そして冷たかったり乾燥していたりする空気を温めたり加湿して肺に送り込みます。
一方、それが口呼吸だと吸い込んだ空気がダイレクトに肺の中に取り入れられるため、ウイルスや細菌、化学物質などがそのまま身体に入り込んでしまったり、冷たく乾燥した空気もそのまま肺に送られるため、身体が冷えてしまったりします。
それから扁桃腺が免疫細胞の白血球を作り出し身体を守るのですが、口呼吸だと細菌やウイルスがそのまま中に入ってしまうので、余計に働かなければなりません。
そして口呼吸をしていると常に口が開いている状態となります。
口が開いているということは口の周りの筋肉が弱っている状態です。
それから口の中も乾燥してしまいます。
口呼吸をしていて口の中が乾燥するということは、歯や歯ぐきなど口の中にとっては良くない環境です。
それらも含めた、口呼吸をすることで起こるデメリットを次の記事で説明していきたいと思います。
口呼吸をすることで起こるデメリット
口呼吸をすることで口の中や身体にとって良くないことばかり起こります。
1.虫歯の原因になる!
まず、口の中についてですが、先ほども書いたように口がずっと空いていると口の中は乾燥してしまいます。
朝起きた時、口や喉がカラカラだったという経験はありませんか?
それは寝ている時に口を開けて寝ていたからです。
虫歯菌や歯周病菌は口の中が乾燥している状態はとても活動、増殖しやすい環境です。
よって、口の中に食べかすやプラークが残っているとそれを餌として虫歯や歯周病の進行が早くなります。
特に前歯は一番乾燥しやす場所なので口呼吸の方は虫歯になりやすくなります。
また、それらによって口臭も強くなります。
それから、乾燥するということは唾液が少なくなっている状態です。
唾液にはたくさんの働きがあります。
例えば、食べ物を洗い流してくれる洗浄作用や、抗菌作用、再石灰作用など唾液があることによって虫歯を防いでくれます。
それがなくなってしまうことによっても虫歯などになりやすくなってしまうのです。
2.出っ歯になる!?
口呼吸だと口がずっと開いている状態というのは、口の周りの筋肉が弱っている状態でもあります。
歯は隣の歯や周りの組織によって今の場所が保たれています。
口の周りの筋肉が弱っていると歯を支えきれなくなってしまうので、歯の位置も移動してしまいます。
これはつまり、出っ歯にもなってしまう可能性もある、ということです。
出っ歯生まれつきの骨格によるもの以外にも、口呼吸が原因でなってしまうこともあるのです。
3.免疫力の低下!
口呼吸のデメリットは口の中だけではありません。
ウイルスや細菌がそのまま身体の中に取り込まれてしまうので風邪やインフルエンザになりやすくなってしまったり、免疫力が低下してしまったりします。
またアレルギー体質にもなりやすかったり、身体も冷えやすくなってしまいます。
4.無呼吸症候群の可能性も!
それから口呼吸をしていると、口で呼吸しやすくするために、舌の位置が後ろの方になります。
夜寝ている時、力が抜けて舌が後方に落ちてしまうことにより気道を塞ぎ、無呼吸症候群になってしまうこともあるんです!
無呼吸症候群になってしまうと、寝ている時に呼吸が止まってしまったり熟睡できなかったりして、起きている間もだるさや倦怠感、強い眠気、集中できなかったりとさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。
呼吸の仕方が鼻と口で違うだけで、身体にこんなにたくさんの悪影響を及ぼしてしまうのです。
口呼吸になってないか確かめる方法と改善する方法
自分は鼻呼吸なのか口呼吸なのかをチェックしてみましょう!
- ・口が無意識のうちに半開きになる
- ・朝起きた時に口の中が乾燥している、喉が乾く、痛みがある
- ・上の前歯が出ている
- ・唇が常に乾いている、ひび割れしやすい
- ・前歯に虫歯ができやすい、着色がつきやすい
- ・口内炎ができやすい
- ・発音が明瞭ではない
- ・鼻がつまりやすい、鼻炎を持っている
- ・風邪を引きやすい
- ・喘息やアトピーを持っている
- ・日中、強い眠気や倦怠感がある
- ・集中力が続かない
以上の症状が多ければ多いほど口呼吸が疑われます。
また、こういった症状で悩んでいる方は呼吸の仕方を意識すると治る可能性もあるのです。
次に口呼吸を改善する方法を挙げていきます。
・とにかく鼻呼吸を意識する
まずは意識して口を閉じ、鼻で呼吸するようにしてみましょう。
癖で口で呼吸をしている人は、気付いた時には鼻で呼吸をし、鼻呼吸を癖付けていきましょう。
最初は空気を取り込む量が口に比べて少なくなるので、息苦しさも多少あるかもしれませんが続けることで慣れていきます。
もし鼻炎を持っていて鼻で呼吸ができない場合はまず耳鼻科に行って鼻炎を治すことから始めましょう。
そうしてでも口呼吸を改善することは大切です。
・テープを貼って口を塞ぐ
日中は意識して治せても、夜寝ている間は無意識に開いてしまいますよね。
そんな時は物理的にテープを貼って口を塞ぐ方法もあります。
口の中央にテープを貼るので完全に息ができなくなるわけではないので心配しないでください。
サージカルテープなどでもできますし、薬局に行くと口に貼る専用のテープも売っていたりします。
それだけでも風邪を引きにくくなったりもしますのでぜひ実践してみてください。
・口を閉じるための筋肉を鍛える
他には口の周りの筋肉を鍛える方法もあります。
代表的なのはボタンに糸を通し、口の中に入れて糸を引っ張るというやり方です。
自分が釣られた魚になったようなイメージするとわかりやすいでしょうか?
その他にも調べてみると口の周りの筋肉を鍛えるためのいろいろな訓練方法があります。
準備するものや費用もかからないもので、その場で実践することができます。
口呼吸を改善するためには一度だけでは効果がなく、続けることが大切です。根気よくやってみてください。
鼻呼吸で健康的な身体に
口呼吸が身体に及ぼしてしまう悪影響は理解できましたか?
呼吸の仕方が鼻か口か違うだけで、こんなにもたくさんのデメリットが出てしまうのです。
癖を直すのは簡単なことではありません。
でも風邪を引きやすかったり、アレルギーがある、虫歯ができやすいという悩みが呼吸方法ひとつで改善されるとしたら、病院に通うわけでもなく、薬を飲むわけでもないのでとてもいいと思いませんか?
口呼吸のチェックリストでもし気になっていることが挙がっている場合は呼吸のせいかもしれません。
ぜひ改善できるよう頑張ってみてください!
また、これは大人だけではなく、子供も同様です。
もしお子さんがいる場合は注意してみてあげてください。
口呼吸をしている場合は少し無理をしてでも鼻呼吸に変えてあげたほうが後々を考えてもメリットがたくさんありその子のためになります。
口呼吸をしていると、出っ歯だけではなく、口がぽかんと開いていてだらしない顔にも見えてしまいます。
すぐには改善できないかもしれませんが、根気よく気にしてあげてください。
鼻呼吸で健康的な身体を目指しましょう!