歯軋りしていませんか?
少し前から歯科の業界でもどんどん問題視されるようになった歯軋り。
現代にはストレスが多いからか、それとも問題視されるようになったから目につくようになったのか…
以前よりも多くなった気がします。
歯軋りは日常パソコンを触っている間や、夜寝ている間に無意識のうちにしているもの。
知らないうちにしていて、でも身体やお口の中には悪影響が出てしまうので困ったものです。
しかも夜寝ている時に無意識に噛んでいる力はものすごく強く、起きている時が70kg前後と言われていますが、寝ている時はなんと300kg近い力がかかっているという結果が出ています。
それに、昼間起きている時に歯が噛み合わさっている時間はとても短く、全部合わせても15分前後と言われています。
意外と短いと思われた方もいるかもしれませんが、普段何もしていないときや喋っているときは、歯は噛み合ってないことがほとんどなのです。
それを考えると歯軋りをしているときはお口や身体にとって異常な力がかかっていて、それをずっと続けているとたくさんの問題が出てきます。
なぜ歯軋りをしてしまうのでしょうか?
歯軋りにはどんな悪影響があるのでしょうか?
今回は歯軋りについて少しでも理解をしていただき、自分はしていないのか、していたとしたらどのような対策があるのかを説明していきたいと思います。
歯軋りとは?することによる悪影響
歯軋りとは、お口の中に何も入っていない状態で、上下の歯で噛んでいること。
細かく分けると種類があり、次のように分かれます。
- グラインディング
一般的に歯軋りといわれるもので上下の歯を強く噛んだ状態で、左右にこすり合わせる動作のことで、キリキリと不快な音がなります。
- クレンチング
上下の歯を強い力で噛みしめるもので、グラインディングのように音はしないため周りの人も気付かないことが多いですが、ずっと強い力で噛んでいるため歯軋りのタイプの中では一番と言っていいほど負担が大きいです。
- タッピング
上下の歯をぶつけあってカチカチと音がなります。
歯軋りのタイプの中では歯に加わる力は少ないですが、近くで寝ている人には不快な音が聞こえ、睡眠の妨げにもなるので注意は必要です。
そんな歯軋りはお口の中や身体にとても大きな悪影響を与えます。
お口の中だと、有名なのは顎関節症です。
開けるときに音がカクカク鳴ったり痛みがでたりしますが、悪化してくると痛みで口がわずかしか開かなくなってしまい、食事がしにくくなるなど生活に支障が出てきます。
試しに指3本(人差し指、中指、薬指)を揃え、縦にして口に入れてみてください。そのとき、入りずらかったり痛みが出たりする場合は要注意です。
他には歯が欠けたり折れたり、割れてしまったりする場合があります。
それによって知覚過敏(冷たいもので歯がしみること)が症状として出たり、歯が割れてしまうと最悪の場合抜歯になってしまったり…なんてこともあります。
それから噛み合わせる力により歯を支えている骨が弱くなり、歯軋りによる歯周病というものもあります。
普通の歯周病と同じように、悪化すると歯がグラグラし、最悪の場合はこちらも残せなくて抜歯になることがないわけではないので注意が必要です。
また全身に関しては顎や頬が痛くなる、頭痛、肩こりが起こる場合があります。
そして睡眠時無呼吸症候群と歯ぎしり関連が深いという結果も出ていますので、たかが歯軋りといっても、十分な注意が必要です。
歯軋りをしているか分かる方法
さて、歯軋りは夜寝ているときにしている場合は、無意識なので自分ではわからないことが多いですが、しているか、していないかどうやって分かるのでしょうか。
一番分かるのはご家族やパートナーに指摘をされる場合です。
自分がわからないので、他の人から言われるのが最も確実です。
しかしそれが難しい、また、歯軋りでは音がなりますが食いしばりでは音がならないので周りの人も気付かないことが多いです。
そういった場合は、まず1つ目のポイントとして、起きたときに顎や頬が疲れていないか気にしてみてください。
寝ている時に無意識にしている歯ぎしりはものすごい力で噛んでいるので顎などが疲れ、凝った感じがあります。
そして2つ目のポイントとしては鏡の前で口を開けて舌を出してみてください。
舌の両端に凸凹している跡があったら、それは歯軋りをしている証拠です。歯を噛み合わせている時に舌を押し付けるので歯の跡が舌についているのです。
またそれが頬の内側につくこともあります。
そういった場合は自分や周りの人が気づいてなくても歯軋りをしているので注意が必要です。
また、歯軋りは夜寝ているときにしているというイメージが多いのですが、昼間ゲームやパソコン、集中して作業をしている時、無意識のうちに噛み締めていることはありませんか?
最近増えてきていると言われています。
そして日中に歯ぎしりをしている人は、頬などの筋肉がそれを覚えていて夜寝ているときにも歯ぎしりをしてしまう人が多と言われています。
無意識のうちなので気をつけるのは難しいですが、次の記事で対策について書いてありますのでぜひ読んでみてください。
歯軋りの対策
歯軋りの原因についてはまだまだ知られていない部分もたくさんあるのが現状です。
今現在では、歯軋りの一番の原因はストレスだと言われています。
ただ、ストレス社会と言われている現代でストレスをなくすというのはとても難しいですよね。
だったらどうすればいいのでしょうか?
対症療法になってしまいますが、一番有効とされているのはマウスピースを装着することです。
歯科医院で歯軋りするのでマウスピースを作りたいと言えば、ほとんどの歯科医院で作ってくれます。歯科医院によりますが保険適用の場合はだいたい5000円前後となります。
薬局でももっと安価なものなども販売していますが、歯科医院では自分の歯の型を取ってぴったりのものを作るのに対し、薬局のものは誰でも使えるようにできています。
いろいろなタイプがありますが、すぐ壊れてしまう、それから歯並びに影響してしまうものまであり、そうするともっと大変なことになってしまうので、歯科医院で作ることをお勧めしています。
マウスピースはプラスチックでできているのですが、夜寝ているときにそれを装着することによって歯ぎしりの力をマウスピースが吸収してくれます。
実際に装着している方の中には、肩こりや頭痛がなくなったという方がいたり、歯軋りが酷い、もしくはずっと使っている場合はマウスピースに穴が開いたりします。
穴が開いてしまうとまた作り直さなければいけないのですが、マウスピースをしていないとその力が歯にかかってしまうので、考えただけでも怖いですね。
それからマウスピースは日中に歯軋りしている場合にも有効なのですが、日中の場合は寝ているときと違って、意識があります。
例えば「歯軋り注意!」といったメモ書きを見えるところに貼る、もしくはシールなどを貼ってこれを見たときは歯軋りしていないか意識するなんてことを自分の中で決めるだけでも効果は大きいです。
これだとすぐにでも実践できるので気になっている方はぜひやってみてください。
早めの対処を
歯ぎしりの原因はストレスが多いと言いましたが、ストレス以外でも原因となるものはあります。
例えば虫歯があるのに直していない場合、痛みなどで気になって噛む、それがくせになってしまうことがあります。
それから虫歯や歯周病などで歯を抜いたけどそのままにしている場合。
噛み合わせはとても大切なものです。
例えば歯を1本抜いてそのまま放置していると両隣の歯が傾いたり、噛み合わせていた歯の相手がいなくなり伸びてきたりします。
そうすると噛み合わせが狂ってしまうのです。
更に1本なくなることによって支えが少なくなり、他の歯の負担が大きくなります。それにより他の歯にも問題が出やすくなってしまうのです。
なので、これらの問題がある場合は先にそちらから直していきましょう。
歯ぎしりも含め、お口の中の問題は自分で解決することは難しく、治すことを先延ばしにしたところで、状態は良くなることはなく悪化するだけです。
悪くなればなるほど治療期間は長くなり、費用の方もどんどん増えていきます。
また歯軋りは自分自身だけの問題ではなく、家族やパートナーにも迷惑をかけてしまうので、そのためにも早め早めに対処していきましょう。