親知らずとは
みなさんのお口の中には親知らずはありますか?
今現在親知らずがお口の中にある方もいれば、ない方、もう抜いてしまったという方もいるかもしれません。
親知らずは前から数えて8番目に生えてくる歯のことです。
全部で4本あるのですが、親知らずは生えてくる場合と、生えてこない場合があります。また、親知らずが生えてきた場合、できれば抜いてしまった方がいいといわれています。
歯は残した方がいいと言われているのに、なぜ親知らずは抜いた方がいいのでしょうか?
また状態によっては残す場合もあります。
それは、抜く場合との違いはなんでしょうか?
親知らずはあった方がいいのか、親知らずは無い方がいいのか、どちらがいいのでしょうか?
また、もし親知らずを抜く時や抜いた後は少し気をつけなければいけないことがあります。どのようなことに気をつけるべきなのか、それらについて説明していきます。
親知らずを抜く理由とは
基本的に歯は抜いてはいけない、なるべく残しておいた方がいいものですが、親知らずは例外です。
親知らずは抜いた方がいい場合が多いです。
その理由としては、親知らずがあることでや虫歯、歯周病になりやすいためです。
親知らずは一番奥に生えているので歯ブラシが当てづらく、汚れが落としにくいです。
それから、親知らずは横や斜めに傾いて生えてくることが多いです。
それによって頭半分しか生えなかったりすることもあり、そうすると歯茎が歯にかぶってしまい、それによっても歯ブラシが難しくなってしまいます。
歯ブラシが難しくなるということは、汚れが残ってしまい虫歯になりやすくなってしまうということです。
その親知らずが虫歯になる分には抜いてしまうのでいいのですが、それにより親知らずの手前にある、前から7番目の歯も虫歯になってしまう可能性が大きいのです。
前から7番目の歯は奥歯で大きい歯なので物を食べる時や噛みしめる時にとても重要な歯となっていて、虫歯になってしまったからといって抜くわけにはいきません。
したがって、予防のためにも親知らずは抜いた方がいいとされています。
それから親知らずがある場合はそこの部分の歯周ポケットが深くなってしまいます。
ブラッシングも難しいのでポケットの中に汚れが溜まりやすくなり、歯周病にもなりやすくなります。
普段も汚れはポケット内にあっても身体の中の抗体が戦っているのですが、風邪をひいた時や、身体が疲れている時、寝不足の時などは抗体の力も弱くなってしまい戦えなくなります。
そのため急に痛みが出たり、腫れたり、場合によっては膿が出たりすることもあります。
そして虫歯と同じように親知らずの手前の歯までポケットが深くなってしまう可能性があります。
そうするとその後のメンテナンスが大変になってしまうのでその面から考えても親知らずは抜いた方がいいと言われています。
親知らずは早めに抜いた方がいい?
親知らずが生えてくる時期は人によって様々ですが、生えてきたら若いうちに、早めに抜いてしまった方がいいです。
その理由について説明していきます。
まず、親知らずがあると虫歯や歯周病が進行しやすくなってしまいます。
歯周病が進行してしまったら元に戻ることはなく、虫歯においても親知らずの手前の歯が虫歯になってしまったら治療しなければいけません。
そのため親知らずは虫歯や歯周病が進行してしまう前に抜いてしまうのがいいと思います。
それから高齢になってくると歯茎や骨の治りが遅くなってきます。
そのため若くて治りが早いうちに抜いてしまった方が回復も早く、傷口の治りも早いのです。
他には骨の硬さが年齢によって変わってきます。
特に下の親知らずで斜めに生えている場合は骨を削って歯を抜くことが多いです。
その際、若いうちに抜いてしまった方が、骨が柔らかく抜きやすいので、歯茎を開けている時間が比較的短くなり、それによって痛みや腫れも出にくくなります。ただ痛みや腫れは個人差があるので必ずではありません。
また、妊娠している時はホルモンの関係で全体的に歯茎が腫れやすくなってしまいます。そのため、親知らずの部分も同様に腫れやすくなってしまいます。
親知らずの歯茎が腫れた時は抗生物質を飲んで対処することが多いですが、妊娠中は薬を飲むことができません。
そのため痛みや腫れを我慢することになってしまうのです。
そうならないためにも女性で親知らずが生えている方は、妊娠の心配がないうちに抜いておきましょう。
虫歯ができたり、歯周病になって汚れが溜まってしまうということは、口臭が出てくる場合があります。
口臭が出ると周りの人にも不快感を与えてしまうので気をつけましょう。
親知らずを抜く際に注意すること。抜かなくてもいいことも?
親知らずは抜いた方がいいのですが、注意するべきことがいくつかあります。
まずは下の親知らずを抜く際の下顎管の位置です。
顎の中に太い神経と血管が通っているのですが、それが親知らずの根っこの先と近い場合があります。
下顎管を傷つけてしまうと大量の出血があったり、麻痺が出たりする場合があります。
必ずレントゲンやCTを撮って下顎管の位置を確認してから抜歯する必要があります。
一般の歯科医院や先生によっては抜歯できないケースもあり、そういった場合は大学病院で抜くこともあります。
他には糖尿病や高血圧、心臓病などを持っている方。
そういった方は歯科医院だけでの判断ではなく、主治医の先生との話し合いも必要になっています。
血液を止めにくくするお薬を飲んでいる方なんかも抜歯した部分の出血が止まらなくなってしまうので同じように内科の先生と相談しましょう。
また、親知らずが生えてきてないのに無理に抜く必要はありません。
外と繋がっていない場合は虫歯にもならないし、歯周病になることもないので心配する必要はありません。
出てきてからの方が抜きやすいので、親知らずを抜くのは出てからにしましょう。
また親知らずが歯列に沿ってきれいに並んでいる、まっすぐに生えてきている場合は抜かなくても大丈夫です。きれいに生えていると汚れも溜まりにくくなります。
それからもし親知らずの手前にある歯が大きい虫歯になっていたり、神経がなかったりして抜く可能性がある場合。
この場合はもしかしたら部分矯正で親知らずを手前に持ってきて使う場合があります。
そのため、もし親知らずの手前の歯を抜く可能性がある場合は、親知らずを残しておいた方がいいこともあるため、先生と相談してみてください。
親知らずを抜歯した後に注意すること
親知らずを抜いた後はとても出血しやすい状態になっています。
抜いたその日は運動、飲酒、お風呂に浸かるなど出血しやすくなることは避けましょう。
親知らずを抜いたところを歯ブラシで磨いたり、激しくうがいをしたりすると、かさぶたのようなものが剥がれてしまいます。それもまた出血してしまう原因となりますので注意しましょう。
もしお家に帰ってから出血がある場合は、ティッシュやコットンなどを水で濡らし、固く絞ってからそれを噛んで、圧迫して止血をするのが一番早く止まるやり方です。
その際濡らさないで噛んでしまうと、傷口にティッシュなどがくっついてしまうので気をつけましょう。
ただ、唾液があるため血が止まっていても、親知らずを抜いた当日は血の味がすることは多いです。
気になる場合はまず鏡で確認しましょう。
親知らずは抜いた方がいいという説明をしてきましたが、どうしても抜くのが怖い方もいると思います。
そういった場合は無理に抜く必要はありません。
ですが、今まで説明した、虫歯や歯周病になりやすくなるというリスクを分かった上で観察をしていきましょう。
そしてブラッシングする際も意識して歯ブラシをよく当て、できるだけ汚れを残さないように注意して磨くことが必要です。
歯医者に行って診てもらうこともお忘れなく!